日記|日記

はやし養蜂さんの養蜂場訪問 編集後記

先日、逗子で蜂蜜を作っている「はやし養蜂」の林さんの養蜂場に伺い、お話を聞いてきました。林さんの蜂蜜作りへのこだわり、地域と関わる暮らし、大切にしている事など盛り沢山の取材になりました。
取材の内容はkibacoのYouTubeチャンネルで公開しているので、是非ご覧ください。

この記事では、僕が林さんのお話を伺って感じた、地元で生きる事のヒントなどを書いてみたいと思います。

【きっかけはパパ友として】
もともと林さんとは、子どもを同じ保育園に通わせるパパ友同士で、家族同士でもお付き合いしていましたが、そのご縁ではやし養蜂さんの蜂蜜を購入したところ、香りがよくて本当に美味しい蜂蜜だったので、kibacoでも取り扱いをさせていただきたいとお願いして、kibacoでの販売が始まりました。

kibacoでは、蜂蜜は漢方茶のアレンジにも使えますよ、とお客様に紹介しているのですが、東洋医学的に言うと蜂蜜は、肺を潤して咳や喉の辛さを鎮めたり、腸を潤し便を排出する力があるとされます。また、胃腸を補う働きもあると言われていて、僕は喉がちょっとイガイガするなーと感じた時や、お腹の調子がイマイチな時にスプーンですくってペロッと食べています。

色々な使い方ができる蜂蜜ですが、kibacoで販売をしているはやし養蜂さんの蜂蜜が、どんな思いで、どんな風に作られているかに興味が湧き、たくさんの方にはやし養蜂さんの蜂蜜の良さを知ってもらいたい、と思い取材に行ってきた次第です。

【楽してないですよ】
林さんのお話の中で印象的だったのは、「楽をするため」と言いつつ、実は良いものを作るためには妥協を許さず、こだわり抜いているところでした。できるだけ手を加えない、加工しないというのは、効率が悪くなる、ということでもあります。

効率よく収穫量を増やすには、秋も収穫して冬の間の蜂のエサとして砂糖水を入れたり、蜂の巣の中での蜂蜜の熟成を待たず、早めに収穫してから加熱することで糖度を上げたりというという方法もあります。しかし、冬の寒さに蜂を晒して体力が落ちないように気遣ったり、蜂が蜂蜜の水分を飛ばして熟成させるのを待ったりと、人間の都合の良い操作をせず、ひたすらに自然の、香りも酵素もそのままの蜂蜜づくりを続けている林さんのやり方は、決して楽をしているようには見えませんでした。それを「楽をするため」と笑う林さんがなんとも男前に感じました。

【僕たちの子供たち】
逗子、葉山地域で暮らすことの意味も、林さんとお話しする中で改めて感じたテーマでした。僕と林さんが子どもを通わせる保育園は、地域での子育てをとても意識していて、林さんの他にもたくさんの大人が関わり、様々な活動を行っています。葉山・逗子地域では、身近に色々な仕事をしている人がいて、暮らしのバリエーションも豊かです。その大人たちが関わり、海や山での遊びはもちろん、林さんの厚意で蜂蜜搾りを体験させてもらったり、父兄が釣ってきた魚を一緒に捌いたり、つながりのある農場に行って収穫を手伝わせてもらったり…。大人が楽しそうに働き、暮らすことを子供たちに見せることが、きっと良い未来につながるな、と思えました。

取材の終わりには、林さんが焚き火でお湯を沸かしてコーヒーを入れてくれて、今後のことや子どもことなどをお話ししました。自分の仕事に打ち込む人ってやっぱりかっこいいな、僕も頑張ろう、と感じながら養蜂場を後にしました。

kibacoの漢方茶 〜体質に合わせたブレンド〜

今回は、kibacoでお出ししている漢方茶について書きたいと思います。

kibacoでは、セッションの終わりに、漢方薬に使われる生薬・薬草を、お客さまの体質・症状に合わせてお茶とブレンドした漢方茶をお出ししています。

漢方茶は、施術=カラダの外側からの働きかけに加えて、カラダがより良く変わっていけるように、そして自己治癒力がより良く発揮されるように、カラダの内側から働きかけるものです。

生体エネルギーである「気」が不足して元気のない方には、気を補う素材を。気の巡りがとどこおっている方には気の巡りを助ける素材を。気血水それぞれの状態に応じて、その方にぴったりの組み合わせでブレンドをします。

そもそも、なぜ施術者の僕が漢方茶を勉強してお客さまに提供しようと思ったかと言うと…セッションの効果を高められることに加えて、漢方茶を入り口にしてお客様に「日々の養生・日常におけるセルフケア」の大切さを知ってもらうキッカケになるかもしれない、と考えたからです。

kibacoでは、施術はお客さまのカラダや心の状態を改善する大きなきっかけになるものを捉えています。一方で、お客さま自身の毎日の習慣や行動も、お客様のカラダと心の状態に大きく影響します。自分のカラダと心の状態に目を向けて、無理なく体質改善への意識を高めてもらうにはどうしたらいいか、と考えたときに、自分のカラダと心にぴったりの漢方茶を飲む、ということは、体質をゆるやかに変えるだけでなく、お茶を通して自分の体質をより理解して、意識することでもある、と思ったことが始まりです。

そして、その漢方茶をまずは気軽に試してもらえるように考えたのが、「セルフケアのための14日ぶんの漢方茶、二週漢(にしゅうかん)」です。「元気・あたため・巡り・お肌・安眠」のテーマでブレンドしているので、漢方茶を試してみたい方、漢方茶をギフトとして贈りたい方におすすめしたいと思っています。

kibacoでのセッションや体質相談をご利用いただいたお客さまには、体質や症状に合わせたオリジナルブレンドをお出しします。ブレンドがお客さまにフィットするようでしたら、二週間分をご購入いただくことも可能です。

僕自身は、胃腸が強くなく、気(エネルギー)が不足しがちな体質なので、普段は「二週漢」の「元気ブレンド」を基本に、その時の体調や気分に合わせて素材を足したり変えたりしています。簡単にアレンジできるのも楽しいし、気に入っています。実際、漢方茶を飲んでいるとお腹の調子が改善されますし、ご飯を食べた後に眠くなりにくくなるのが不思議です。

漢方茶の良い所は、簡単に楽しめて、ゆるやかに体質改善できるところです。kibacoでのセッションと合わせて生活に取り入れていただくと、毎日自分のカラダと心に働きかけることができて、楽しみながら調子をよくしていっていただけると思います。

kibacoでは、「お客様の『より良い』をともに探す」ことを大切にしたいと思っています。
毎回のセッションでお客様とコミュニケーションを取っていくなかで、その方のより細部に至る「ちょうどいい」を一緒に探しながら、改善の歩みをともに進めるパートナーでありたいと思います。

そして、kibacoでのサービスを通じて、自分のカラダの声に耳を傾けることへの興味を深めていただけたら嬉しいです。心身の「今」に気づき、そのあり方を考えることこそ、本当の「内」からの働きかけとも言えるのではないでしょうか。自分の気持ちとカラダの状態を感じ取り、自分でケアする。そして時々、メンテナンスのためにkibacoに来ていただきたいと思います。

漢方茶

漢方茶 〜ゆるやかな体質改善〜

こんにちは。6月になりましたね。気温と湿度が上がり、夏が近づいてきた感じです。

今回は、kibacoでお出ししている漢方茶について書きたいと思います。

 

kibacoでは、セッションの終わりに、漢方薬に使われる生薬・薬草を、その方の体質・症状に合わせてお茶とブレンドした漢方茶をお出ししています。

漢方茶はセッションにおける施術、つまりカラダの外側からの働きかけに加えて、カラダがより良く変わっていけるように、そして自己治癒力がより良く発揮されるように、カラダの内側から働きかけるものです。

施術においては、普段の生活やカラダの調子についてのお話を伺い、実際に脈やツボの状態、筋肉の緊張状態なども見た上で内容を決めていきますが、施術の後にはその全部を踏まえて、その方にあったブレンドを決めて漢方茶をお出しします。

生体エネルギーである「気」が不足して元気のない方には、気を補う素材を。気の巡りがとどこおっている方には気の巡りを助ける素材を。気血水それぞれの状態に応じて、その方にぴったりの組み合わせでブレンドをします。

 

そもそも、なぜ施術者の僕が漢方茶を勉強してお客さまに提供しようと思ったかと言うと…セッションの効果を高められることに加えて、漢方茶を入り口にしてお客様に「日々の養生・日常におけるセルフケア」の大切さを知ってもらうキッカケになるかもしれない、と考えたらです。

施術はお客様のカラダや心の状態を改善するのに、とても大きな役割を果たします。一方で、お客様自身の毎日の習慣や行動も、お客様のカラダと心の状態に大きく影響します。自分のカラダと心にぴったりの漢方茶を飲む、ということは、体質をゆるやかに変えるだけでなく、お茶を通して自分の体質をより理解して、意識することでもあると思います。

そして、その漢方茶をまずは気軽に試してもらえるように考えたのが、「セルフケアのための14日ぶんの漢方茶、二週漢(にしゅうかん)」です。「元気・あたため・巡り・お肌・安眠」のテーマでブレンドしているので、漢方茶を試してみたい方、漢方茶をギフトとして贈りたい方におすすめしたいと思っています。

僕自身は、胃腸が強くなく、気(エネルギー)が不足しがちな体質なので、普段は「二週漢」の「元気ブレンド」を飲みながら、その時の体調や気分に合わせて素材を足したり変えたりしています。簡単にアレンジできるのも楽しいし、気に入っています。実際、漢方茶を飲んでいるとお腹の調子が改善されますし、ご飯を食べた後に眠くなりにくくなるのが不思議です。

 

漢方茶の良い所は、簡単に楽しめて、ゆるやかに体質改善できるところです。kibacoでのセッションと合わせて生活に取り入れていただくと、毎日自分のカラダと心に働きかけることができて、楽しみながら調子をよくしていっていただけると思います。

kibacoでは、「お客様の『より良い』をともに探す」ことを大切にしたいと思っています。

毎回のセッションでお客様とコミュニケーションを取っていくなかで、その方のより細部に至る「ちょうどいい」を一緒に探しながら、改善の歩みをともに進めるパートナーでありたいと思います。

そして、kibacoでのサービスを通じて、自分のカラダの声に耳を傾けることへの興味を深めていただけたら嬉しいです。心身の「今」に気づき、そのあり方を考えることこそ、本当の「内」からの働きかけとも言えるのではないでしょうか。自分の気持ちとカラダの状態を感じ取り、自分でケアする。そして時々、メンテナンスのためにkibacoに来ていただきたいと思います。

手をつくるということ 〜施術前のこだわり〜

こんにちは。

緊急事態宣言を受けて、外出の自粛をされている方も多いと思います。先が見えない状況で、心身ともに負荷がかかりますが、目の前のことにじっくりと取り組みたいと思っているこの頃です。

 

今回は、僕が施術の際に大切にしている、「手をつくる」ということについて書きたいと思います。

施術に関するこだわりはたくさんあるので、書き始めるときっといつまでたっても終わらないのですが…「手をつくる」のは施術をする前のことです。

 

「手をつくる」とはどういうことかと言うと、僕の「普段の生活をしている手」や、「事務仕事をしている手」を、「施術をするための手」に変える、という意味です。「さあ施術するぞ」というメンタル面でのスイッチでもありますが、それ以上に重要なのが、「手の感覚を高める」こと、そして「手に意識を向ける」ことです。

人間の手は、とてもとても繊細なセンサーです。ツボに現れるわずかな気の詰まり、それが緩んでいく感じ、人によって違う筋肉の張りなどを感じ取るために、施術者は最大限にその感覚を活用します。そして、手で感じながら、今までの施術者として積み重ねた経験と照らし合わせつつ、その方の状態を見極めていきます。

やり方は簡単です。ハンドクリームを塗るような要領で、手全体を刺激するだけです。

手のひらをこすり合わせて、それぞれの指をひねりながら指先までつまむ、ということを丁寧に何度か繰り返します。

これをやるだけで、手先の気の巡りがよくなり、指先の感覚がクリアになります。また手の血流が増えて温かくなります。

 

施術者の間では、指先の感覚の訓練方法は色々と話題に上ります。本のページに髪の毛を挟み、一枚ページをめくって紙の上から触り、髪の毛の感触を確かめたらもう一枚ページをめくり、髪の毛の上に何枚ページが載っても髪の毛を感じられるか…とか、ポケットのなかでコインを触って、その種類を当てられるか、とか…。

トレーニングももちろん大切ですが、僕は毎回の施術で、指先の感覚をしっかりと感じようとしていれば、自然と感じられる、と思っています。

 

そしてこれは、カラダの他の部分にも当てはまることです。手でやったように、カラダの一部に意識を集中すると、その部分がいまどうなっているかを感じられます。これは、実はとても大切なことだと思います。

現代では、心と対照的なものとして、カラダは物質的な道具のようなものとして扱っている側面があると思いますが、自分のカラダを、「心とつながる、繊細な感覚をもつもの」として見つめ直すと、本当に色々なことが見えてきます。お腹のなかで腸が動いている感覚、重いものを持った後の腕の重だるい感覚、よく寝た日の朝の、目がパッチリ開く感覚。

こういう感覚を大切にして、自分のカラダ、自分という存在に興味を持つと、自分の調子が分かるようになります。今日は首の右側に違和感があるな、とか少し下半身が疲れているな、とか。施術を受けているときも、押されたところが固いのか、緩んでいるのか、気持ちいいのかイヤな痛みがあるのか、自分のカラダがどう感じているかに目を向けてみていただきたいと思います。自分の状態に気づくと、必要なことを正しく行えるのでセルフケアの効果も倍増します。

結果として、お客様が自分のカラダと心の「今」を感じて、自分でも必要なケアをしつつ、ときどきのメンテナンスにkibacoに来ていただけたら、こんなに嬉しいことはありません。kibacoでは、より良い毎日が送れるカラダと心をお客様と一緒につくりたいと考えています。

ツボ押し 〜おうちで簡単にできるセルフケア〜

こんにちは。こんな時ですが…葉山はいいお天気です。お店のそばをリスがのんびり歩いています。

これまでも様々な活動を自粛してきた方が多いと思いますが、緊急事態宣言を受けて、今後も家にこもる時間が増えそうですね。外での活動が減ると、カラダを動かす機会が減るのはもちろん、心もふさぎがちになります。おうちの中でも適度にカラダを動かして、気血水をしっかりと巡らせることがとても大切です。心とカラダの健康のために、自分に合ったセルフケアを見つけていただけたら嬉しいです。

kibacoでも、おうちでできるセルフケアについての情報を、一層積極的に発信していきたいと考えています。

 

そこで今回は、おうちでできる簡単なセルフケア、ツボ押しについて書きたいと思います。

「ツボ押し」ですから、ツボを押すだけです。とても簡単ですが、なかなか奥が深いものです。ツボについて、ツボ押しの仕組みについて簡単に説明した上で、いくつかのツボを紹介していきますね。

【ツボとは】

そもそもツボとは、生きるためのエネルギーである「気」の通り道=経絡(けいらく)の上にある、気の出入り口である「経穴(けいけつ)」と呼ばれる点のことです。このツボを刺激することで、気血水の巡りを調整し、カラダの自己治癒力を引き出して健康を保つ、ということが大昔の中国で考え出され、現在まで受け継がれてきました。

現代では、皮膚に刺激を与えると神経を通じて脳まで信号が届き、押した部分の周りの血流が増えたり、自律神経のバランスが取られたりすることで痛みが緩和する他、色々な良い効果がある、という考え方がありますが、完全に仕組みが解明されている訳ではありません。不思議ですね…。

ツボへの刺激方法は、「ツボ押し=指圧」の他に、「鍼(はり)」と「お灸」もあります。鍼は専門的な知識と技術が必要なのでセルフケアには向きませんが、お灸は火の扱いとヤケドに注意すればとてもおすすめなので、また別の機会に紹介しますね。

【ツボの見つけ方】

さて、次はツボの見つけ方です。一般的にツボと呼ばれる場所の特徴は…

◯押すと他の所より気持ちいい、または痛みが強い

◯コリッとした「しこり」がある、少しふくらみ・へこみがある

◯筋肉が凝っている・張っている

◯重だるい、またはむくみがある

などだと言われています。

ツボの場所は「カラダのこの部分」というのが細かく決まっていますが、大切なのは触った時の感覚でココだ!と思える場所を見つけることです。難しく考えず、自分の感覚で探してみてください。

【ツボの押し方】

そして、ツボの押し方は、ちょっとしたコツがあります。押す向きは皮膚に垂直に、押す強さは少し強め、少し痛いけど気持ち良いくらいです。ただし、イヤな痛みがある場合は力を弱めてください。押すツボを見つけたら、ググッとゆっくり押し込んで、5秒とめます。5秒経ったら、スーッとゆっくり離して、また5秒押します。3回押したら、反対側(ツボはカラダの左右両側同じ位置にあります)のツボも同じように押しましょう。

押すときは、息を止めず、リラックスしながら押してくださいね。

【ツボ押しの注意点】

ツボ押しに際して、注意点が一つあります。ぶつけたり挫いたりして、腫れて熱を持っている部分や、怪我をしている所、肌がかぶれている所などは押さないよう注意してください。

 

【ツボ押しの実践】

では、実際にいくつかのツボを探して押してみましょう。

①肩こりには…

肩井(けんせい)というツボです。肩こりのツボとして有名で、全身の血行を良くする効果も。

場所:肩の上。首を前に倒した時に、首の後ろの付け根に突き出す骨(第七頸椎)と肩の端の骨の突起(肩峰)を結んだ線の中間あたり。

②イライラには…

労宮(ろうきゅう)というツボです。心を落ち着ける効果があると言われています。

場所:手のひらのほぼ真ん中。手を握った時に薬指の先が触れるところ。

③胃腸の不調には…

足三里(あしさんり)というツボです。胃腸の動きを調整するとともに、歩き疲れにも効くツボです。

場所:膝の皿の外側下端からすねに沿って爪先方向に指四本分くらい下。

 

いかがでしたか?その他、色々な症状に対応するツボがたくさんあります。

今後、kibacoのTwitter (https://twitter.com/kibaco1)でも色々な症状に対応したツボを順次紹介していきますので、お楽しみに。

今は大変な時期ですが、ツボ押しやその他の自分に合ったセルフケアを活用して、心とカラダを軽やかに保ち、世界が落ち着くのをゆったり構えて待ちましょう。

世界が落ち着いたら…皆さまのセルフケアとkibacoでのセッションを組み合わせて、健やかで幸せな毎日をお手伝いしたいと願っています。

春の養生 〜生活のメリハリと気血の巡り〜

4月になりました。

新型コロナウイルスに感染して亡くなられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、罹患された方々の早い回復をお祈りしております。

社会は大変な状況になっていますが、慌てすぎず、やれる事をやっていきたいと思っています。

 

今回はカラダを健やかに保つための、春の養生について書きたいと思います。

はじめに書いてしまうと、kibacoが考える春の養生のテーマは…「万物が芽吹く変化の季節、生活のメリハリを大切に」です。

実際どんなことなのか、をお伝えするために、まず東洋医学における「春」と、春に関わるキーワードについて簡単に説明しますね。

春は「はじまり・芽吹き」の季節です。日照時間も徐々に長くなり、陽の気が盛んになってきます。

陽の気とは、温かさを持つ動的なエネルギーのことで、冬の間に盛んになっていた寒さ・静的なエネルギー(=陰の気)の対極にあるものです。この陽の気を受けて、自然界にある様々なものが活動を始めます。

また、春は風の邪気である風邪(ふうじゃ)が盛んになると言われています。肌が風に晒されると、風邪(ふうじゃ)がカラダに入り込み風邪(かぜ)をひくことになります。風邪(ふうじゃ)が他の邪気を仲立ちして、寒さ・乾燥など、他の邪気とセットでカラダへの影響が出ることも。それぞれの季節に注意すべきポイントを、昔の中国では邪気に例えたわけですね。

そして、こんどは春とカラダの関係ですが、東洋医学では、いわゆる五臓六腑の「五臓(肝・心・脾・肺・腎)」を陰陽五行の法則に当てはめて、それぞれの季節に割り振っています。その結果「春は肝(かん)が活発にはたらく季節」ということになっています。同時に、春は肝に関わるトラブルが色々と出やすい季節でもあります。

東洋医学でいう「肝」は肝臓そのものとは少し違います。現代の医学で言う肝臓は、栄養を代謝したり、有害な物質を解毒したり、胆汁をつくったりする臓器ですが、東洋医学の「肝」は、簡単に言うと「カラダに気を巡らせる・血を貯めて全身の血流量を調節する」という役割を持ちます。つまり、気血の循環に関わるシステムを「肝」と呼んでいるとも言えます。また肝は感情の動きや目にもつながると言われ、肝の不調がイライラや目の不調として表れます。

肝は「春の季節のように、のびのびとした状態を好む」と言われます。ストレスがかかると不調が出る、というのはこういう特徴があるからですね。気血の巡りに関わる肝に不調が出ると、下のような症状が出ると言われています。

◯感情のコントロールがうまくいかなくなってイライラしたり、

◯気の巡りがとどこおって肩こりがひどくなったり、不眠になったり、

◯気がカラダの上の方に上がりすぎてしまい頭痛になったり、

◯血の循環が悪くなることで月経不順になったり…

さらに、肝の不調は、五臓の一つである「脾(ひ)=消化吸収を司るシステム」にも影響します。ストレスが強くてイライラすると胃腸の調子が悪くなる方がいるのは、この仕組みのためだと言われています。

もともと、春は職場の異動や、家族の学校への入学、卒業などいつもと違うことがあったり、緊張状態が続いたりすることが多い季節なのに加え、今回のコロナウイルスの騒動で疲れてしまっている方も少なくないと思います。精神的な負荷は肝の不調を招きやすく、上で書いたような症状が出やすい時期ですね。

 

さて、前置きが長くなりましたが…

春の養生「万物が芽吹く変化の季節、生活のメリハリを大切に」とは、季節の邪気に注意しながら、肝を元気に保つためにオン・オフを意識し、気血の巡りをスムーズにして気持ちを穏やかに過ごす、ということです。

実際、何に気をつけたらいいかというと、

◯ストレス解消

ストレスがはっきり分かる方も、普段意識していないけれど知らず知らずにストレスがたまっているかも知れない方も、自分に合う方法でストレスを発散して気持ちのバランスを取りましょう。

◯早起きと軽い運動

朝起きたら、朝の気をカラダに取り込み、軽い運動で血の循環を促進して、自律神経の切り替え(オン・オフ)にメリハリをつけましょう。

◯油断せずカラダを守る

風邪(ふうじゃ)をカラダに入れないよう肌を風にさらさず、風邪気味な気がしたら、首から肩甲骨の間をあたためて邪気をカラダから追い出しましょう。

◯カラダを冷やさない

暖かくなってきたとはいえ気温の低い日もあるので、寒さに注意しましょう。

 

古代中国の東洋医学の書物、「霊枢(れいすう)」では、

「風雨寒熱、虚を得ざれば、邪独り人を傷めること能わず」=気がしっかりと巡り、カラダが弱っていなければ、外界の状態に左右されて体調が悪くなることはない、と述べています。

同じく古代中国の書物、「素問(そもん)」では、春の過ごし方について「遅めに寝ても良いが、朝は早めに起きて散歩するのが良い」、「髪は縛るのはやめて、全体にゆったりと自由にするのが良い」という内容が書かれています。

言われてみれば当然のこととも言えますが、日頃の養生が丈夫なカラダをつくり、季節に応じた過ごし方をすることで外邪の侵入を防ぎ、健やかな日々が送れると古代の賢人たちも気付いていたのです。

忙しく頑張る毎日の生活のなかで、皆さまが頭の片隅に「養生」という考え方を置いて過ごしてくださったらとても嬉しいです。

(Twitter https://twitter.com/kibaco1 では葉山の毎日の天気に応じた養生を発信していますので、是非ご覧ください。)

もちろん、季節の影響を受けつつも、人の気持ちや体質・症状は千差万別ですから、kibacoでは、季節を念頭に置きながらも「春だから肝!」と決めつけず、それぞれのお客様の状態を見極めた上でのセッションと漢方茶のブレンドを提供したいと思っています。

kibacoは、気血水を巡らせる施術と漢方茶で、皆さまの健やかな毎日をサポートします。

肩こりは肩を揉んでも改善しない

今回は「肩こり」にまつわる誤解について書きたいと思います。

肩こりは、腰痛と並んで国民的な症状です。ちょっと疲れたなー、というときに肩を揉んでもらうのは気持ち良くて、僕も大好きです。が、実は、肩を揉んでも肩こりは解消しないのです。その場では肩が緩んだ気がしますが、すぐまた元の凝った肩に戻ってしまいます。

それはなぜかと言うと…肩が重だるくなったり、痛みが出たりするという肩こりの原因はカラダの別のところにあり、肩を揉むことではその原因を解決できていないからです。そして、その原因と対処の仕方は人によって違うからです。
その「原因」を探し出し、ちょうど良い解決策をご提案することが、僕たち施術者の腕の見せ所とも言えます。

例えば、東洋医学では「血瘀(けつお)」という血がキチンと流れていない体質や、イライラなどで気がカラダの上の方に上がってしまっている状態など、肩こりの原因と考えられるケースがいくつもあります。もちろん、長時間パソコンに向かっていたり、寒くてずっと肩をすくめていたりしても、肩が辛くなるでしょう。
また、目や手・腕の疲れが肩に影響するなど、肩とは離れたカラダのどこかの不調が、結果として肩に表れていることもあります。

kibacoでは、普段の生活についてお話をお聞きしたり、脈やツボの反応、姿勢や筋肉の張りを見たり、動き方等の検査を行うことで、症状の原因を推測し、確認します。そして、改善に向けてのセッション=施術を行い、漢方茶とともに日々の暮らしのご提案をします。

実際に何をするかと言うと、肩の辛さの元になっている部分、ツボや経絡(気の通り道)、筋肉と骨格へのアプローチにより、気血水の巡りを促し、姿勢とカラダの使い方を改めます。
同時に、気や血が巡りやすくなるような日々の過ごし方、無理のかからない姿勢の取り方、力が不足している部分の簡単なトレーニングをお伝えして、カラダの内側からも自己治癒力が高まるよう漢方茶で働きかけて、おしまいです。

駆け出しの施術者だった頃は、肩が辛いと言われれば肩を、腰痛だと言われれば腰を揉むだけのこともありました。今となってはその頃のお客さまには勉強不足をお詫びしたいです。それなりに修行を重ねてきた今は、肩を揉まれる気持ちよさと、今辛い肩こりの解消、そして根本的な解決、つまり「肩こりになりにくいカラダづくり」のためにすべきこと、の全てを諦めたくないと思っています。

カラダが辛くなるには、必ず原因があります。その原因を一緒に見つけて、一緒に解決する方法を探しましょう。kibacoは、お客様と「ともにあること」を大切にします。

kibacoと僕のこと

「整体・鍼灸・漢方茶のkibaco(きばこ、と呼んでください)」は、プレオープン期間を経て、やっと正式にオープンしました。
様々な人に支えられて、ここにたどり着けたことに改めて感謝しています。
葉山に根付いていけるように、そして多くの方々の健やかな毎日のために役に立てるように、じっくり、のんびり頑張っていきます。

この日記では、kibacoの考える健康・養生についてや、カラダや心のこと、施術の考え方、日々感じたことなどを書いていきたいと考えています。

今回は最初の記事なので、僕(小牧たすく)とkibacoの自己紹介をします!

僕は大学を卒業した後にオフィスワークのサラリーマンをしていましたが、転職して整体を学んだ後に鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の国家資格を取り、施術者として活動しています。また、体質に合わせた漢方茶のブレンドも手がけています。
ちょうど一年前に葉山に家族で移住してきました。海も山も近くて、緑が多い環境が気に入っていますし、運の良いことに素敵な友人もでき、毎日楽しく暮らしています。去年はほとんど海に入らなかったので、今年の夏はマリンスポーツにチャレンジしたいです(たぶん)。

施術の仕事は、色々な案件を同時進行で処理するタイプの仕事ではなく、目の前のお客様に対して全力投球する、という部分が僕には合っているように思います。また、カラダの仕組みについて学ぶことや、東洋医学の世界に触れることは本当に奥が深く、終わりがありません。何かにのめり込みやすい僕には苦にならず、楽しみながらやっています。
最近は坐禅に通っていて、カラダと心のつながり、精神がカラダに及ぼす影響への興味が高まっているところです。

kibacoは、葉山町長柄の小さな山の上にある、小さなお店です。木の外壁に覆われた長四角の建物で、まるで木の箱のように見えます。待合室と、ベッドが一台ある施術室に、施術者は僕一人です。車の通りが多い道路からしばらく奥へ入るので、とても静かです。晴れた日は、風の音と、鳥のさえずりが聞こえます。

僕自身、整体や鍼(はり)、マッサージを受けるのが好きで、時々出かけます。よくファッションのブランドで「着たい服がなかったので自分で作った」というようなストーリーがありますが、kibacoもそんな感じです。施術でカラダの不調を改善するだけでなく、気持ち良くて、リラックスできて、話をよく聞いてきちんと説明してくれる、そして自分にぴったりの漢方茶をブレンドしてくれる…自分が行きたい場所を作りたかったのです。

そういうわけで、kibacoでのセッションは、辛い症状の改善はもちろん、押される気持ちよさ、カラダのことを気軽に相談できる安心感も大切にしたいと考えています。店内の環境も、来るだけで一息ついてのんびりできる雰囲気を感じていただけると嬉しいです。

今まさに始まったばかりのkibacoが、今後皆さまに、ふとした時に思い出していただけるお店になれるように精進します。
どうぞよろしくお願い申し上げます。